以西村郷土誌について

 この以西村郷土誌は昭和10年から11年にかけて当時の以西小学校長松岡貞信氏(昭和8年8月〜昭和12年3月)を中心とする11名の教職員の手によって編纂されたものである。
 半世紀以上の時を経、そのメンバーの多くが他界された今となっては当時の苦労を聞く術も無いが、1973年(昭和48年)に発刊された以西教育百年誌の中に「職員総動員で放課後は、夜もかけて部落に出張し調査した。」と当時のメンバーによる記述がのこされている。
 一読すればそれが教員自らが地域の中に足を運んで聞き取りし、野山に出かけて採取し調査したものであることが分かる。その文章の一つひとつは、ここで生まれ育ち、暮らす者以上に郷土愛に満ち溢れ、その当時の情景を活き活きと浮かび上がらせてくれる。
 郷土誌の序に「郷土の由来を知り、発達の跡をかんがえ、真にこれを理解する時、偉大なる郷土愛と無限の懐かしみの油然として湧くを禁じえない。しかして我々は悠久なる往時を偲ぶと共に、さらに郷土将来の発展を懷う時これが対策も我々の行くべき道もそこに自ら打開せらるるを信ずるものである。」とある。時代が変わり、新たな世紀を迎えた今、この郷土誌は当時を記録した貴重な資料であり、財産である。

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