使ってみよう以西弁!!。使って覚える以西弁実践テクニック

 以西弁は、主に東伯耆地方の言葉ですが、西伯郡とも隣接しており、昔から交流があったことから、若干、西伯耆地方の言葉が入り混じっているようです。
 以西村郷土誌の第13章、第四節の方言訛調べで以西地区の方言が紹介されていますが、その中で、今でも耳にしたり、実際私たちが使っている方言の具体的な使用例をあげて見ました。一聞するときつく感じる言葉も有りますが、その中に、厳しい暮らしとその中を生きてきた先人達の温もりが感じ取られます。それが方言の良さではないでしょうか。郷土誌や写真集と共にご覧いただければ以西地区の歴史(暮らし)が立体的に見えてくると思います。
 方言部分は太字にしています。ただし、少々のなまり(ゆがむ→いがむ、うごく→いごく、ゆさぶる→いさぶる、ゆすぐ→いすぐ、結わえる→いわえる、かぞえる→かずえる、消す→きやす、焦げる→くぎる、もっと→まっと、眉毛→まいげ、この様かっさま)などはあまりにも数が多いため方言としては取り扱かっていません。
 ここに掲載した方言に、助詞(ずつ→わて、ばかり→ばっかし、さえ→かって、でも→なと)、終助詞(だから→だけえ、だろう→がな、のか→だか、するんだい→すっだい、しようよ→しょいな・しょいで・しょいや、するんだからすっだけ、何々ですか→何々だえ、何々でしょう→何々だらあがな)、接続助詞(何々だから→何々だ、何々したのに→何々したなどを用いて活用出来るようになれば、8割方以西弁をマスターしたと言えます。後は実践のみ!。がんばってください(^-^;

きょうとがる  くわすらせんけえ
「そがに、きょうとがらでも、ええがないや。とってくわすらせんけぇ
(そんなに恐がらなくてもいいじゃないか。取って食べたりはしないから
【子供の会話から】 おまいらち  しとっだいや  ぼいやこ  しょいや
おまいらち、何しとっだいや。なんだあ、ぼいやこか。そがなむんおもっせないけ、かくれやこしょいや
君たち、何をしているんだい。なあんだ、鬼ごっこか。そんなものおもしろくないから、かくれんぼをしようよ
【親同士の会話】 おまいね  おぞい  だあずご  おじょ
「そら、おまいねの子は、みんなおぞいけ、よからーけど、うちげの子は、みんな、だあずごだけ、おじょするいな」
(それはお宅のお子さんは皆、利口だからよいでしょうけれど、うちの子は皆、馬鹿な子だから、苦労するわ)
あばしれる らんば わやくそ ほんに なんぼ いってかす しらけん ばらく
「子供らちがあばしれてらんばしてけわやくそだけほんにいなんぼいってかしてしらけんだけばらいたったいな。」
(子供たちがあばれて乱雑にしてめちゃくちゃなんだからほんとにいくら言って聞かせて片付けないから叩いてやったわ。)
えんたこく  おろたえて  おおばえ  まん
えんたこいとったら急に客がくっだけ、おろたえてきゃおおばえだがな。ほんにきゃあ、まんのわりい」
座り込んでたら急に客が来たので、うろたえてまあおお慌てですよ。ほんとにまあ、の悪い)
【農作業から帰った夫を迎える妻の会話】 とお がんじょ えらい 湯にいる ちいと たばこ
とおから起きてがんじょしなったなあ、えらかっただらあがな。ゆにいってちいとたばこしなはれ。」
早くから起きて元気出されましたね、大変だったでしょう。お風呂に入って少し休みなさい。)
【若い女性と男の会話】 わら ええにょうば がいな もたぶら ちいと こえた やんばい
わら、ほんに、ええにょうばになったなあ。がいなもたぶらして、ちいとこえたでにゃあか?」  「やんばいな事言いなんな」
君は、ほんとうに美人になったなあ。大きなして、少し太ったんじゃないのか?)  (いい加減な事言わないでよ)
【子供の会話から】 なんぞ  あすばい  うち  かたけ  いけん
「なあ、なんぞしてあすばいや」  「うちかたけしかあそべんけいけんわ
(ねえ、なにかして遊ぼうよ)  (半日しか遊べないからダメだわ
【主婦同士の会話】 よう ねえさん おまい ああにい しなれ いっとだい うち あやかり ようせん
よう、ねえさん。おまいも、ああにいしなれ」  「なにいっとだいなうちゃ、あやかりだけようせんわい」
ねえ、奥さん。あなたああいう風しなさいよ)  (何をおっしゃるの不器用だからできないわ)
そが  おがく  めぐ  えらい  そがに  たきゃあ  むん  だわい
そがおがくないや。それめえだえらいこったぜ」  「そがにたきゃあむんかえ?」 「だわい
そんなかきまわすなよ。それをこわした大変なことだよ)  (そんなに高価なものなの?) (そうだよ
なんし  わっちゃ  はねこ  しょおから  しゃあまけ  ごせ
なんし わっちゃ、うちげの子、はねこにすっだあ。しょおからが。しゃあまけな。一緒に遊んだってごせやれ」
なぜ 君たちは、うちの子を除け者にするんだい。いたづらっ子が。なまいきな。一緒に遊んでやってくれよ)
【子供の会話から】 いぬる  ぼいだす
「もひゃ遅いけえ、いないや」  「はやいなんとおかやんにぼいだされっど!」
(もう遅いから、帰ろうよ)  (早く帰らないとお母さんに追い出されるぞ!)
【近所のおじさんと青年の会話】 ようこら わら さあし おせ きゃほんに けつな
ようこらわらさあしあーとらなんだけど、おせらしなったないや、きゃほんに」  「けつな事いいなんな」
おいちょっと君はしばらく会っていなかったけど、大人らしくなったね、本当に!)  (変な事言わないでください)
【主婦の会話】 ねえさん ごっつお ちゃんがれえ しご にき てご ごしなれ
「よう、ねえさん、なにごっつおしなっだえ」「ちゃんがれえしごするけえ、にきに来ててごしてごしなれ
(ねえ、奥さん、何ご馳走されるの)(あかえい料理するので、そばに来て手伝ってください
【主婦の会話】 おまい  あんたね  でこ  ちゅうわい  えしこ  しこで
「ちょっとおまい〜あんたねの子でこ、うまいこと描いたっちゅうわい」  「せんせがえしこに教えてごされるしこで
(ねえあなたお宅の子図画を上手に描いたらしいよ)  (先生がいい具合に教えてくださるらしくて
ちいと わて  じき  ごせ  どまかす
ちいとわて食わんと、じき なあなっだけ。後でごせっちってもやらんで」  「そがにどまかすないや」
少しずつ食べないと、すぐになくなるよ。後でくれって言ってもやらないよ)  (そんなに恐ろかすなよ)
【酔っ払いと奥さんの会話】 そがな さばんな きしゃがわりい よだきいむん こらいて よおたんぼ
そがなとこに、さばんなんないな。きしゃがわりい。ほんによだきいむんだけ。」  「こらいてごせやれ。よおたんぼだけ」
そんなところに、さわらないでよ。気に障る。ほんとに強欲な人だわ)  (ゆるしてくれよ。酔っ払いだから)
〜しいしい  ほえる  おぶらかす
よそみしいしい運転すりゃ、あやまちして後でほえっだけ」  「そがにおぶらかすないや」
脇見しながら運転をすれば、ケガをして後で泣きを見るよ)  (そんなに驚かすなよ)
どづく  きょうとい  ぞんぞ  さかし  ばらく
どづかれるかと思っけ!。あがなきょうといこたしらんわ。ぞんぞがはしったけ」  「さかしばらいたれやれ
殴られるかと思っよ!。あんな恐ろしい経験は知ら無いよ。寒気がしたよ)  (叩いてやれよ
ないやおい  こばらがすいた  めしかか  しじる
ないやおいこばらがすいためしかか」  「イカなとしじれや」  「ふんだ」
ねえ君おなかが少し減ったからご飯食べようか)  (イカでも焼けよ)  (本当だ)
【夫婦の会話】 がいけ  ぞんぞがはしる  にがる  うねくそがわりい  やいと
がいけだらあかい。何だかきゃぞんぞがはしるけ。腹もにがるし。うねくそがわりいやいとなとせえてごせ」
風邪だろうか。なにかさむけがするよ。おなかもしくしくするし。気分が悪いお灸でもすえてくれ。)
いっかな  だあずけな  だらあ  じょい  とじくそもねぇ
「ここおってもいっかなおもしろにゃあがな。だあずけな」  「だらあがな。じょいけ。とじくそもねぇ。
(ここに居てもすこしも面白くないね。馬鹿らしい)  (そうだろう出ようよ。意味も無い。
がいな  いさぶれる  こごむ  さでくり落ちる  たたん
がいな地震で家がいさぶれてこごまかと思ったけど、さでくり落ったがな。戸はたたんやんなるしきゃ」
大きな地震で家が揺れてしゃがもうかと思ったけど、転がり落ちたよ。戸は閉まらなくなるしさ)
すたこい  とじくそもにゃあ  かばち  しゃまけ
「ほんにわらすたこいだけ。とじくそもにゃあ事言って」  「がばちこけ。しゃあまけな」
(ほんとに君はずる賢いんだから。筋の通らない事を言って)  (減らず口言うな。生意気な)
【夫婦の会話】 おまい かたきり  いっちょ げもにゃあ  ぐすい  おじょ
おまいー。このさぶいにかたきりいっちょで、どこ行くだいな、げもにゃあ。ほんにぐすいだけ。おじょするわ。」
あなたー。この寒いのにランニングシャツだけで、どこへ行くの。芸の無い。ほんとに知恵が足りないんだから。苦労するわ。)

以西村郷土誌   以西村20世紀の記録写真集

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